本記事では、前回解説した「次葉3」に続き、酒類販売業免許の申請書類の一つである**「次葉4(収支見込み)」の書き方や記入例**について詳しく解説します。
あわせて、実務上つまずきやすいポイントについても分かりやすく整理しています。
なお、**次葉3(販売場の状況)**について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
「三重県通信販売酒類小売業免許「次葉3」の書き方|事業の概要の記入例を解説」
※本記事は三重県での通信販売酒類小売業免許申請を前提に作成していますが、記載方法自体は全国共通のため、他の地域で申請する場合にも参考になります。
次葉4とは何か
次葉4とは、通信販売酒類小売業免許の申請において提出する、**事業の収支計画を示す書類(収支見込み)**です。
この書類では、EC販売や通信販売による売上見込み、仕入金額、送料や広告費などの経費を踏まえ、
事業としてどの程度の収益が見込めるのかを数値で整理します。
単なる形式的な資料ではなく、税務署が「通信販売として継続的に運営可能な事業か」を判断するための重要な判断材料となるため、
申請結果にも影響するポイントの一つです。
そのため、次葉4の作成にあたっては、見栄えのよい数字を並べるのではなく、
販売方法やターゲット、販売数量などに基づいた現実的な収支計画を組み立てることが求められます。
次葉4の記入例
以下の次葉4の記入例は、架空の通信販売拠点を基に作成しています。

上記は、通信販売酒類小売業免許における次葉4の記入例の一例です。
次葉4では、通信販売による売上や仕入、送料・広告費などの経費をもとに、
収支の見込みを数値で整理していきます。
一見すると単なる計算書のように見えますが、
実際には、これらの数値がどのような前提や根拠に基づいているかが重要となります。
特に、売上金額や仕入金額、販売数量については、ECでの販売方法や想定販売数に応じた
現実的な設定が求められ、他の申請書類との整合性も確認されるという点がポイントとなります。
なお、次葉4は一定の形式に沿って作成する必要がありますが、
数値の設定については、事業内容に応じて柔軟に検討することが可能です。
このように、次葉4は単に数字を記入するだけでなく、
その根拠を説明できるかが重要となる書類といえます。
通信販売で必要となる書類
通信販売酒類小売業免許では、一般酒類小売業免許とは異なり、
仕入先となる酒類製造者が年間製造数量3,000kl未満であることを証明する書類の提出が別途必要となります。
なお、この数量制限は国産酒類の仕入れにのみ適用されるものであり、輸入酒類については対象外ですので注意が必要です。
※数量制限(3,000kl未満)について詳しく知りたい方は、こちらの記事
「通信販売酒類小売業免許の数量制限とは?3,000kl基準をわかりやすく解説」をご参照ください。
参考資料の考え方
次葉4に記載する収支見込みについては、
その数値の根拠を明確にするための参考資料を用意しておくことが重要です。
これらの資料は提出が義務付けられているものではありませんが、
収支計画の合理性を補足する資料として、実務上は重要な役割を果たします。
例えば、通信販売の場合は、以下のような資料が考えられます。
- 酒類ごとの販売数量や販売単価の内訳
- 想定している仕入数量や仕入単価の根拠
- 市場データ(国税庁の統計資料など)を踏まえた販売見込み
- ECサイトやオンラインモールを前提とした販売計画
- 広告運用や集客方法に関する見込み
これらの資料を整理することで、
単なる予測ではなく、一定の根拠に基づいた収支計画であることを示すことができます。
なお、参考資料については特定の様式は定められておらず、
事業内容に応じて柔軟に作成することが可能です。
そのため、形式にとらわれる必要はなく、実際の事業計画に沿った内容で整理することが重要です。
次葉4でよくあるミス
① 利益が出ていない(または極端に低い)
収支計画上、最終的に利益が出ていない、または極端に低い場合、
事業として継続できるのか疑問を持たれる可能性があります。
通信販売の場合でも、初年度からある程度の利益が見込まれる計画とすることが重要です。
② 売上金額と販売数量が合っていない
販売数量に対して売上金額が不自然なケースもよく見られます。
例えば、想定本数に対して売上が過大・過小になっている場合、
単価設定の整合性が取れていないと判断される可能性があります。
「売上=単価×数量」の関係は必ず確認しましょう。
③ 送料・広告費などの経費を考慮していない
通信販売では、送料や広告費などのコストが発生しますが、
これらを見込んでいないケースが多く見られます。
経費が不自然に低い場合、現実的な事業計画とは評価されにくくなります。
④ 仕入金額と粗利のバランスが不自然
仕入金額に対して粗利が高すぎる、または低すぎる場合、
実態に合っていない計画と判断される可能性があります。
特に通信販売では価格競争もあるため、現実的な粗利率を意識することが重要です。
⑤ 他の申請書類と内容が一致していない
次葉4の数値と、販売見込数量や事業計画の内容が一致していないケースもあります。
例えば、販売数量と売上の前提がズレている場合、
計画全体の信頼性が低下する要因となります。
⑥ 数値の根拠が曖昧・説明できない
販売数量や売上、仕入の根拠が曖昧な場合、
計画の信頼性が低いと判断される可能性があります。
通信販売では、集客方法(ECサイト・広告など)を踏まえた
説明ができるかが重要です。
次葉4では、見栄えの良い数字を作ることよりも、
通信販売の実態に即した「現実的で説明可能な数値」を設定することが重要です。
まとめ
本記事では、次葉4(収支見込み)の記入例や、参考資料の考え方について解説しました。
これまでの記事では次葉1から次葉3までを解説してきましたが、
実務上、書類作成で最も悩まれるケースが多いのが、この次葉4です。
特に通信販売の場合は、販売方法や集客手段、販売数量の見込みなどを踏まえて、
収支計画を組み立てる必要があり、一般酒類小売業に比べて前提の整理が難しいという特徴があります。
また、送料や広告費といった通信販売特有のコストも考慮する必要があるため、
より実態に即した数値設計が求められます。
次葉4は単なる計算書ではなく、事業の実現可能性を示す重要な資料であり、
その内容によっては許可の可否にも影響を及ぼす可能性があります。
少しでも不安がある場合は、酒類販売を専門とする行政書士へ早めに相談することをおすすめします。
なお、次回は「次葉5(所要資金の額及び調達方法)」について解説します。
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