農業分野で外国人を雇用する場合に必要となる就労ビザとは?

本記事では、外国人を農業分野で雇用する場合に、どのような就労ビザが必要かについて、分かりやすく解説していきます。

※一般的に「就労ビザ」と呼ばれているものは、正確には「在留資格(就労が認められているもの)」を指します。
本記事では、農業経営者の方にも分かりやすくお伝えするため、一般的な呼び方である「就労ビザ」という表現を使用しています。
就労ビザと在留資格の違いについて詳しく知りたい方はこちら

目次

農業分野で必要となる就労ビザの種類

まず前提として、日本で農業を営んでいる場合、会社形態が法人であるか個人事業主であるかによって、使用できる就労ビザの種類が変わることはありません
重要なのは、雇用形態ではなく、申請要件を満たしているかどうかです。

ただし、経営している事業体の経営規模や財務状況によっては、入管側の審査において、申請書類以外にも追加で資料の提出を求められるケースがあります。

なお、経営している企業が赤字の場合でも就労ビザの許可は下りるのかについては、こちらのブログで詳しく解説しています。

農業分野で利用できる主な就労ビザ

結論からお伝えすると、法人・個人事業主のいずれの場合でも利用できる就労ビザは、主に以下の4つです。

① 特定技能1号の就労ビザを取得する
② 技能実習制度を利用して受け入れる
③ 高度専門職、または「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザを取得する
④ 海外の大学と連携してインターン生を受け入れる

それでは、それぞれの受け入れ方法について、事業者の視点から重要なポイントに絞って解説していきます。

① 特定技能1号の就労ビザを取得する

特定技能1号で外国人を雇用する場合、雇用する外国人が以下の要件を満たしている必要があります。

  • 日本語能力試験N4レベル以上、または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル以上
  • 特定技能1号(農業分野)の技能測定試験に合格していること

上記2つの要件を満たしていることが、申請の条件となります。
なお、技能実習2号を良好に修了している場合には、これら2つの要件を満たしているものとして扱われます。

メリット
試験の難易度はそれほど高くなく、将来的に特定技能2号へ移行できれば、在留期間の上限なく雇用することも可能です(在留期間の更新は必要)。

デメリット
法律で定められた支援業務を実施する義務があり、自社で支援を行うか、登録支援機関へ委託する必要があります。そのため、一定の事務コストが発生します。

② 技能実習制度を利用して受け入れる

技能実習制度を利用して外国人を受け入れる場合、外国人側に課される要件は比較的緩やかで、18歳以上かつ健康状態が良好であれば、原則として応募が可能です。

メリット
要件が非常に軽いため、応募者を集めやすい点が挙げられます。

デメリット
受け入れのためには、監理団体との契約や技能実習計画の作成、受け入れ体制の整備が必要となり、特定技能と比較すると時間的・金銭的な負担が大きくなります

③ 高度専門職・技術・人文知識・国際業務の就労ビザを取得する

これらの就労ビザを取得するためには、原則として大学卒業が必須となります。
修士号や博士号を取得している場合には、審査においてプラス材料となります。

また、受け入れ企業側においても、単純作業ではなく、経営管理、技術指導、経営企画など、管理的・専門的な業務内容であることが求められます。

メリット
4つの中で最もコストがかからず、特別な受け入れ体制を整える必要がないため、事務負担がほとんどありません。

デメリット
応募者を見つけること自体が非常に困難で、仮に内定を出しても、他の企業に採用されてしまう可能性があります。

④ 海外の大学と連携してインターン生を受け入れる

海外にある農業大学などとインターンシップ協定を締結することで、インターン生を受け入れることが可能です。

メリット
インターン期間終了後に、特定技能1号や高度専門職、または「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更が可能となるため、長期的な人材確保につながります

デメリット
海外大学との調整が必要となり、単独で協定を締結するのはハードルが高いため、インターン事業を展開している企業を探す必要があります。

【農業分野:外国人雇用制度の比較表】

制度どんな人向け?受入れの手間長期雇用ひとことで
特定技能1号(農業)即戦力を雇いたい△(※2号で○)受入れ要件が明確で、即戦力確保に適した制度
技能実習(農業)応募者を集めやすくしたい受入れ体制の整備負担は大きいが、候補者確保につながりやすい
技人国/高度専門職管理・指導・企画人材が欲しい業務内容の適合性が重要で、単純作業中心の配置は認められない
海外大学インターン育成ルートを作りたい中〜高○(切替前提)大学等との連携を前提に、中長期の採用導線を構築できる

※「特定技能2号」は在留期間の上限がなくなります(更新は必要)

まとめ

本記事では、農業分野で外国人を雇用する場合の主な受け入れ方法として、4つの制度について解説してきました。

当事務所の見解としては、実務経験上、特定技能1号による受け入れが、比較的費用負担が軽く、かつ失敗のリスクが少ない制度であると考えています。
もっとも、企業の規模や経営状況、耕種農業・畜産農業といった業態の違いなどにより、最適な受け入れ方法は異なり、「農業分野」で一律に判断できるものではありません。

そのため、各企業の実情に応じて、適切な受け入れ方法を検討することが重要となります。

今後、外国人材の受け入れを検討されている事業者の方、または現在の受け入れ方法の見直しを検討されている事業者の方にとって、本記事が判断の参考となれば幸いです。

なお、本記事以外にも、特定技能制度や技能実習制度、就労ビザに関する内容について、それぞれテーマごとに詳しく解説したブログ記事を掲載しています。

外国人材の受け入れ方法や制度について、さらに詳しく知りたい方は、ご自身の関心のあるテーマの記事を、当事務所のブログ一覧からあわせてご参照ください。


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