本日の記事では、「赤字でも外国人を雇用することはできるのか?」という疑問について、要点を絞って分かりやすく解説していきます。
※本記事では、入管法に詳しくない方にも理解しやすいよう、一般的な呼び方である「就労ビザ」という表現を使用しています。正確な法的名称は「在留資格」です。
▶ 就労ビザと在留資格の違いについて詳しく知りたい方はこちら
赤字企業で外国人を雇用できない?
結論からお伝えすると、赤字企業であっても外国人を問題なく雇用できる場合はあります。一方で、状況によっては雇用が難しくなるケースがあるのも事実です。
ただし、「この条件なら必ず可能」「この条件なら必ず不可」といった明確な基準が法律で定められているわけではありません。
少し専門的な表現を使うと、赤字企業が外国人を雇用できるかどうかは、行政裁量の幅が大きく影響する分野だと言えます。
入管にはどのような書類を提出するのか?
外国人を雇用する場合、留学生のアルバイトを除き、原則として何らかの就労ビザが必要になります。
そのため、事業所の所在地を管轄する出入国在留管理庁に対して、就労ビザの申請を行います。
ただし、具体的に「この書類を出せば必ず許可が下りる」といった統一的なルールがあるわけではありません。
出入国在留管理庁のホームページには、申請に必要な書類の例は掲載されていますが、どのような追加資料が必要になるかについては、個別の事案ごとに判断されるため、あらかじめ明確に示されていないのが実情です。
そのため、必要書類を形式的に揃えたとしても、必ずしも許可が下りるとは限らず、実際には不許可となるケースも存在します。
では、どのような書類を追加で提出すればよいのかという点についてですが、結論としては、「各事業者の個別の状況によって異なる」ということになります。
この点を曖昧に感じられる方も多いかもしれませんが、次章では就労ビザの種類ごとに、事業者のどのような点が評価対象となるのかについて、事業者目線で解説していきます。
就労ビザの種類ごとに評価されるポイント
ここでは、就労ビザの種類ごとに、入管でどのような点が評価されるのかについて解説していきます。
なお、就労ビザの種類について詳しく知りたい方は、当事務所で紹介している こちらのブログ もあわせてご参照ください。
まず、本記事で紹介する就労ビザの全体像についてですが、在留資格ごとに「提出書類の細かさ」には違いがあるものの、共通してチェックされるポイントが大きく分けて3つあります。
共通してチェックされる3つのポイント
- 事業の健全性
社会保険・労働保険料の納付状況、国税・地方税の納税状況など - 財務状況
直近の決算書などをもとに、債務超過となっていないか - 法令順守
過去に重大な法令違反がないか
これらのポイントを総合的に確認することで、事業の安定性・継続性が審査されています。
① 技術・人文知識・国際業務
見られる書類(代表例)
- 決算書(原則として直近1期分)
- 法人税の確定申告書
- 雇用理由書
雇用理由書については、提出が必須とされている書類ではありませんが、入国管理局の審査官が知りたいポイントを補足的に説明できる資料です。
業務内容や雇用の必要性を具体的に記載することで、許可が下りる可能性が高まるケースもあります。
② 高度専門職
高度専門職については、基本的な審査ポイントは①「技術・人文知識・国際業務」と共通していますが、これに加えて、以下の点がより厳密に確認されます。
- 年収
- 役職
- 研究内容・業務内容
特に、高年収を継続して支払う合理性があるかどうかといった点が、より慎重にチェックされる傾向があります。
③ 特定技能
特定技能については、①②と比較すると、審査の視点がやや異なります。
必要となる主な書類
- 決算書
- 納税証明書
- 雇用契約書
- 支援体制関係書類
- 理由書(任意提出)
特定技能では、経営成績そのものよりも、「適正な雇用管理が行われているか」が特に重視されます。
そのため、理由書には「なぜ適正な雇用管理が可能なのか」について、要点を押さえて簡潔に記載することが重要となってきます。
就労ビザの種類ごとの比較表
| 就労ビザの種類 | 主な対象 | 主に見られるポイント | 経営状態の見られ方 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 技術職・企画・通訳など | 業務内容と学歴・職歴の関連性 | 決算内容は確認されるが、赤字=即不可ではない | 雇用理由書が重要になるケースが多い |
| 高度専門職 | 高度な専門性を持つ人材 | 年収・役職・研究内容・業務内容 | 高年収を継続して支払えるかを厳密に確認 | ポイント制のため説明の一貫性が重要 |
| 特定技能 | 人手不足分野の現場職種 | 適正な雇用管理・支援体制 | 経営成績より雇用管理体制が重視される | 支援体制関係書類の整備が必須 |
※ 就労ビザの種類によって、提出書類の内容や細かさは異なりますが、
事業の継続性・安定性が確保されているかという点は共通して確認されます。
まとめ
就労ビザの申請においては、許可が下りる可能性を高めるために、「雇用理由書」や「理由書」を必要書類とあわせて提出することが重要になります。
特に、赤字企業の場合には、これらの書類の役割がより重要になるケースが少なくありません。
ただし、単に書類を提出すればよいというわけではなく、審査で重視されるポイントを見極めたうえで記載することが求められます。
内容によっては、審査に不要な情報ばかりが目立ち、かえって良い印象を与えられない可能性もあります。
就労ビザの申請を検討されている場合は、本記事でご紹介したポイントを一つの参考としてみてください。
また、「どのような内容を記載すればよいのか分からない」「自社の状況で申請が可能か判断が難しい」といった場合には、入管業務に精通した専門家へ相談されることをおすすめします。
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