【実例】特定技能の登録支援機関を変更する際の注意点|届出義務と企業側の責任

特定技能外国人を受け入れている企業では、外国人への支援を登録支援機関に委託しているケースが多くあります。

しかし、登録支援機関に支援を委託しているからといって、企業側の義務がすべてなくなるわけではありません。

特に注意が必要なのが、登録支援機関を別の機関へ変更する場合です。

登録支援機関の変更自体は可能ですが、支援計画の変更や支援委託契約に関する届出など、必要な手続きがあります。

今回は、当事務所が実際に関わった事例をもとに、登録支援機関を変更する際の注意点と、受入れ企業が理解しておくべき責任について解説します。

目次

実例|支援委託料を理由に登録支援機関を変更したケース

今回ご紹介するのは、農業分野でインドネシア国籍の特定技能外国人を受け入れていた企業の事例です。

この企業では、特定技能外国人の受入れにあたり、外国人への支援業務を外部の登録支援機関に委託していました。

当初、当事務所側では外国人の受入れに関する手続きや、必要な書類の準備などをサポートしていました。

しかし、その後、企業側から支援委託料を見直したいという話があり、最終的には費用の安い別の登録支援機関へ変更することになりました。

登録支援機関を変更すること自体に問題はありません。

企業が支援内容や費用を比較し、自社に合った登録支援機関を選ぶことは当然のことです。

ただし、今回のケースでは、以前から企業側の書類管理や制度への理解について、気になる点がありました。

企業側の書類管理と制度への理解に課題があった

この企業は、特定技能外国人を受け入れるのが初めてでした。

そのため、受入れに必要な手続きや書類管理について、十分に理解できていない部分が見受けられました。

例えば、雇用契約書など、企業側でも適切に保管・管理すべき書類について、管理状況に不安がありました。

そのため、当事務所側では必要な書類を準備して企業へ渡していましたが、それでも企業側でそれらを適切に整理・保管しているかどうか、懸念が残る状況でした。

また、日頃から登録支援機関に多くの業務を任せていたため、企業自身が行わなければならない手続きについても、十分に認識していませんでした。

特定技能制度では、登録支援機関に支援業務を委託することができます。

しかし、登録支援機関に委託しても、特定技能所属機関である受入れ企業には、法律上の義務が残ります。

この点は、初めて特定技能外国人を受け入れる企業が特に注意したい部分です。

登録支援機関を変更する際に必要な届出とは?

登録支援機関を変更する場合、受入れ企業は出入国在留管理庁に対して、必要な届出を行わなければなりません。

主に確認すべき届出は次の2つです。

1. 支援計画変更に係る届出

登録支援機関を変更すると、特定技能外国人に対する支援体制が変わるため、支援計画の変更に関する届出が必要になります。

使用する参考様式は、**「支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)」**です。

登録支援機関の変更内容を適切に届け出る必要があります。

2. 支援委託契約に係る届出

登録支援機関を変更する場合、通常は従来の登録支援機関との支援委託契約を終了し、新しい登録支援機関との契約を締結することになります。

この場合、支援委託契約の終了や締結についても届出が必要です。

参考様式は、**「支援委託契約の終了又は締結に係る届出書(参考様式第3-3-2号)」**です。

これらの届出は、原則として届出事由が発生した日から14日以内に行う必要があります。

なお、実際に必要となる書類は変更内容によって異なるため、手続き前に確認することが重要です。

※参考資料:出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」

届出を行うのは登録支援機関ではなく受入れ企業

ここで特に注意したいのが、届出義務を負うのは誰なのかという点です。

登録支援機関を変更する際の支援計画変更や支援委託契約に関する届出は、特定技能所属機関である受入れ企業が行うべき届出です。

登録支援機関に外国人の生活支援などを委託していても、それだけで企業の届出義務がなくなるわけではありません。

実務上、必要書類の準備などについて専門家のサポートを受けることはありますが、企業自身も必要な手続きと期限を把握しておくことが大切です。

今回の事例でも、企業側が登録支援機関に多くの業務を任せていたことから、変更時に必要な手続きを十分に理解していたかどうか、懸念がありました。

ただし、当事務所は変更後の手続きには関与していないため、実際に届出が行われたかどうかまでは確認していません。

届出を怠るとどうなる?

特定技能所属機関には、入管法に基づく各種届出義務があります。

登録支援機関の変更に伴う必要な届出を怠った場合、届出義務違反となる可能性があります。

また、出入国在留管理庁は、特定技能所属機関からの届出が適正に履行されていない場合、特定技能外国人を受け入れることができなくなる旨を案内しています。

ただし、届出を一度忘れたら、必ず直ちに受入停止になるという意味ではありません。

実際の影響は、違反の内容や状況などによって異なります。

そのため、登録支援機関を変更する際は、契約の切替えだけで手続きが完了したと考えず、必要な届出が適切に行われているか確認することが重要です。

登録支援機関を変更する前に確認したいこと

登録支援機関を変更する際は、次の事項を確認しておきましょう。

  • 現在の登録支援機関との契約終了日
  • 新しい登録支援機関との契約開始日
  • 支援計画の変更内容
  • 入管への届出の種類と提出期限
  • 外国人に関する必要書類や支援記録の引継ぎ
  • 変更後の支援体制と担当者

特に、現在の登録支援機関から新しい登録支援機関へ変更する際には、外国人への支援が途切れないようにすることが重要です。

支援委託料の安さだけで判断するのではなく、必要な支援を適切に実施できる体制が整っているかどうかも確認する必要があります。

まとめ|登録支援機関を変更しても企業側の責任はなくならない

今回の事例では、支援委託料の見直しを理由として、登録支援機関が変更されました。

登録支援機関の変更自体は珍しいことではありません。

しかし、特定技能外国人を受け入れる企業には、支援計画や支援委託契約に関する届出、必要書類の管理など、さまざまな義務があります。

登録支援機関に任せているから大丈夫と考えず、企業自身が必要な手続きを理解しておくことが大切です。

特に初めて特定技能外国人を受け入れる企業では、登録支援機関との役割分担を明確にし、必要な届出や書類管理に漏れがないよう注意しましょう。

特定技能に関するご相談について

なべ行政書士事務所では、特定技能外国人の受入れや在留資格申請、登録支援機関の変更に伴う手続きについてご相談を承っています。

  • 登録支援機関の変更を検討している
  • 変更時に必要な届出が分からない
  • 特定技能外国人の受入れ手続きを確認したい

このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。


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三重県四日市市天カ須賀5丁目1番17-7号
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