外国人のパスポートにある「指定書」|「採用したのに働けなかった」を防ぐために

外国人を雇用するとき、在留カードを確認する企業は多いと思います。

在留カードには「技術・人文知識・国際業務」「特定技能1号」「特定活動」など、その外国人が持っている在留資格が記載されています。

しかし、在留カードだけを見て、

「就労できる在留資格を持っているから、うちの会社でも働けるだろう」

と判断するのは危険です。

在留資格によっては、在留カードだけでは、その外国人に認められている活動の具体的な内容まで確認できないことがあるからです。

そこで確認しておきたいのが、パスポートに添付されている**「指定書」**です。

指定書を確認することで、「その外国人がどのような活動を認められているのか」を確認することができます。

この記事では、指定書とは何なのか、なぜ企業が外国人を採用するときに確認する必要があるのかを解説します。

目次

そもそも「指定書」とは?

指定書とは、外国人に認められている活動などについて、法務大臣が個別に指定した内容が記載された書類です。

外国人のパスポートに添付されていることがあり、特に「特定技能」や「特定活動」などの在留資格では重要な書類になります。

例えば、在留カードに「特定活動」と書かれていても、「特定活動」という名前だけでは、その外国人が日本で何をすることを認められているのかまでは分かりません。

特定活動にはさまざまな活動類型があり、認められる活動もそれぞれ異なるからです。

このような場合に、具体的にどのような活動が指定されているのかを確認するために使われるのが指定書です。

つまり、在留カードに記載された在留資格だけでは分からない、より具体的な活動内容を確認するための書類と考えると分かりやすいでしょう。

なぜ在留カードだけではダメなの?

外国人を採用するときには、まず在留カードを確認することが重要です。

ただし、在留カードだけですべてのケースを判断できるわけではありません。

分かりやすいのが「特定技能」です。

例えば、この在留カードには、「在留資格:特定技能1号」と記載されています。

これを見れば、その外国人が特定技能1号の在留資格を持っていることは分かります。

しかし、これだけを見て、

「特定技能なら、うちの会社でも働いてもらえる」

と判断することはできません。

特定技能では、外国人が従事できる産業分野や業務が定められているためです。

例えば、農業分野で認められている外国人だからといって、そのまま外食業分野の会社で特定技能外国人として働けるわけではありません。

そこで、パスポートに添付されている指定書も確認します。

在留カードと指定書をあわせて確認することで、その外国人が持っている在留資格だけでなく、どのような分野・活動について認められているのかまで確認できるようになります。

指定書を見ると何が分かる?

指定書に記載される内容は、在留資格や指定されている活動によって異なります。

例えば「特定技能」の場合には、その外国人が活動できる受入れ機関や、指定されている特定産業分野などを確認することができます。

一方、「特定活動」の場合には、その外国人について具体的にどのような活動が指定されているのかを確認することが重要になります。

つまり企業にとって指定書を確認する大きな意味は、

「この外国人は働けるのか?」だけではなく、「自社で予定している仕事に就くことができるのか?」を判断する材料になることです。

外国人本人から「日本で働けます」と言われたとしても、それだけで判断するのではなく、在留カードや指定書などから客観的に確認する必要があります。

転職するときには特に注意

外国人が転職してきた場合には、注意が必要です。

外国人がすでに就労可能な在留資格を持っているからといって、転職先でも必ず同じように働けるとは限りません。

在留資格によっては、勤務先や活動内容などが個別に指定されている場合があるためです。

そのため、

「前の会社で問題なく働いていたから、うちでも大丈夫だろう」

という判断は避けた方がよいでしょう。

特に、指定書に勤務先や具体的な活動内容が記載されている場合には注意が必要です。

例えば「特定技能」では、指定書に受入れ機関や特定産業分野が記載されています。また、「特定活動」の中にも、活動先となる機関が指定されているものがあります。

そのため、転職によって勤務先が変わる場合には、現在持っている在留資格のまま新しい会社で働けるとは限りません。

外国人の中には、自分の在留資格について「働けるビザを持っている」という程度の認識しかなく、どこまでの活動が認められているのかを正確に把握していないケースも考えられます。

採用する企業側でも、現在の在留資格、指定書の内容、転職後に予定している業務を確認し、必要に応じて在留資格変更許可申請などの手続を検討することが大切です。

「在留カードを持っているから大丈夫」で終わらせない

外国人を採用するとき、在留カードの確認は非常に重要です。

しかし、在留カードだけでは、その外国人に認められている具体的な活動内容まで確認できない在留資格もあります。

そのような場合に重要になるのが、パスポートに添付された「指定書」です。

特に「特定技能」や「特定活動」などの外国人を採用する場合には、

「就労できる在留資格を持っているか」

だけではなく、

「自社で予定している仕事に就くことができるのか」

まで確認することが重要です。

外国人本人も企業側も「働けると思っていたのに、実際には予定していた仕事が認められていなかった」という事態になれば、採用後の大きなトラブルにつながります。

外国人を採用するときは、在留カードだけで判断せず、指定書がある場合にはその内容まで確認しておきましょう。


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