2027年4月から、特定技能制度および育成就労制度に新たな分野として「資源循環分野」が追加される予定です。
廃棄物処理・リサイクル業界の深刻な人手不足を背景に創設される新たな分野ですが、自動車解体業者の中には、
「自動車解体業でも外国人を受け入れられるようになるのだろうか?」
と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、自動車解体業でも外国人材を受け入れることは可能です。
しかし、自動車解体業であれば全ての事業者が対象となるわけではありません。
本記事では、環境省へ直接確認した内容をもとに、自動車解体業が受入れ対象となる条件について詳しく解説します。
自動車解体業でも外国人材の受入れは可能
資源循環分野では、自動車解体業も受入れ対象業務に含まれます。
しかし、「自動車解体業許可を取得している」というだけでは受入れ対象にはなりません。
実際には、一定の許可を取得している事業者のみが外国人材を受け入れることができます。
環境省へ直接確認した受入れ条件
今回、自動車解体業で外国人材を受け入れられるのか疑問があったため、私自身、制度を所管する環境省の担当部署へ直接確認を行いました。
その結果、現時点では、自動車解体業で外国人材を受け入れられるのは、
- 自動車解体業を営んでいること
- 産業廃棄物処分業(中間処分)の許可を取得していること
この両方の要件を満たす事業者であるとの説明を受けました。
つまり、自動車解体業許可だけでは受入れ対象とはならず、産業廃棄物処分業(中間処分)の許可を保有していることが前提となります。
現在の制度では、この要件を満たす事業者が資源循環分野において外国人材を受け入れることが可能となる予定です。
自動車解体業界にとって大きな制度改正
これまで、自動車解体業には業務内容に適した在留資格が十分に整備されていませんでした。
そのため、一部では技術・人文知識・国際業務の在留資格で外国人を採用している事例も見受けられます。
しかし、この在留資格は専門的・技術的業務を対象としているため、外国人が主として自動車解体作業に従事することについては制度趣旨との関係で慎重な判断が必要とされています。
その意味でも、資源循環分野の創設によって、自動車解体業でも適法に外国人材を受け入れられる道が開かれたことは、業界にとって大きな制度改正といえるでしょう。
今後は受入れ対象が拡大する可能性もある
ここからは私個人の考察になります。
現在、自動車解体業で受入れが認められるのは、産業廃棄物処分業(中間処分)の許可を有する事業者に限られるとの説明を環境省から受けています。
一方で、自動車解体業界では、外国人材の受入れ対象をさらに広げるよう求める動きも進んでいます。
令和7年7月には、日本自動車リサイクル機構(JAERA)など業界3団体が、自動車解体作業を育成就労制度の対象職種とするよう国へ要望書を提出しました。また、技能実習制度(育成就労制度への移行を見据えた取組を含む)の対象職種化を目指すプロジェクトチームも立ち上げられており、制度活用に向けた働きかけが続けられています。
こうした動きを見ると、業界としても外国人材を受け入れられる環境整備を強く望んでいることが分かります。
また、制度名があえて「資源循環分野」という広い名称になっている点も興味深いところです。
今後受入れ対象となる業務区分を増やした際にも「資源循環分野」に関係する業務であれば、特に区分上での違和感が起きにくいからです。
現時点で政府が受入れ対象の拡大を予定しているという発表はありません。しかし、制度はまず一定の範囲から運用を開始し、その後の運用状況や業界のニーズを踏まえながら見直しが行われる可能性は十分あると考えられます。
実際、特定技能制度ではこれまでも対象分野や運用ルールの見直しが繰り返されてきました。育成就労制度についても、制度開始後の運用状況を踏まえながら改善が進められていくことが想定されています。
こうした業界からの要望や制度の運用の流れを踏まえると、将来的には、現在要件となっている産業廃棄物処分業(中間処分)の許可を持たない自動車解体業者についても、受入れ対象が拡大される可能性は十分あるのではないかと私は考えています。
もちろん、これは現時点で決定している内容ではなく、制度の動向や業界団体の要望などを踏まえた私個人の見解です。
今後、新たな制度改正や運用方針が公表された際には、本記事でも随時最新情報をお伝えしていきます。
【なべ行政書士事務所】
三重県四日市市天カ須賀5丁目1番17-7号
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