税金や社会保険料の未納で永住申請が不許可になった場合、再申請はできる?

永住許可申請では、税金や年金、健康保険料などの公的義務を適正に履行していることが重要な審査項目の一つとなっています。

そのため、永住許可申請を検討している方の中には、

「過去に税金や社会保険料の未納があると、もう永住許可を取得できないのではないか」

「未納分をすべて支払えば、すぐに再申請できるのか」

と疑問に思う方もいるかもしれません。

この点について参考になる記載が、出入国在留管理庁の「入国・在留審査要領 第12編 永住許可」にあります。

今回は、この審査要領の内容をもとに、過去に公的義務の未履行を理由として永住申請が不許可となった場合、その後の再申請がどのように考えられるのかを解説します。

目次

永住申請では公的義務を適正に履行していることが求められる

永住許可に関するガイドラインでは、納税、公的年金、公的医療保険の保険料の納付など、公的義務を適正に履行していることが求められています。

ここで注意したいのが、単に「現在、未納がない」というだけでは十分ではないという点です。

例えば、本来の納期限までに支払うべき保険料を納付せず、その後まとめて追納した場合、申請時点では未納額がゼロになっていたとしても、「適正な時期に公的義務を履行していたか」という問題が残ります。

つまり、

「未納分を全部払った=直ちに永住申請上の問題がなくなる」

とは限りません。

審査要領には「追納後の再申請」についての記載がある

この点について、より具体的な考え方が示されているのが「入国・在留審査要領 第12編 永住許可」です。

審査要領では、公的義務の不履行によって永住許可申請が不許可となった後、未納分を追納して再申請した場合について、追納したという事実だけをもって、国益要件に適合しない事情が解消されたと評価することは適当ではない旨が示されています。

さらに重要なのが、その後の考え方です。

再申請については、

「再申請時から算出される新たな確認対象期間」

において、法的義務が適正に履行されていることが必要とされています。

ここが、今回の記事で最も重要なポイントです。

※「入国・在留審査要領 第12編」第27節 永住者

過去に未納があったからといって、永久に永住申請ができないわけではない

この審査要領の記載から分かるのは、過去に未納があったという事実だけで、将来にわたって永住許可の可能性がなくなるわけではありません

一方で、未納分を追納した直後に再申請すれば、それだけで問題が解消されるわけでもありません。

重要なのは、未納分をきちんと納付したうえで、その後の公的義務を期限どおりに履行し続けることです。

そして、将来あらためて永住許可申請を行った際、その再申請時点から算出される新たな確認対象期間において、公的義務が適正に履行されていることがポイントになります。

なお、確認対象となる期間は、申請する方の在留資格や状況、公的義務の種類などによって異なります。そのため、「未納分を支払ってから一律○年間待てばよい」と考えるのではなく、個々のケースに応じて確認する必要があります。

「追納すればすぐ申請できる」でも「一度未納したら二度と無理」でもない

この点を整理すると、永住許可申請における過去の未納については、次のように考えることができます。

未納・納付遅延がある

公的義務の不履行が永住審査で問題となる

未納分を追納する

追納しただけでは、直ちに問題が解消されたとは評価されない

その後、税金や社会保険料などを適正な時期に納付し続ける

再申請時から算出される新たな確認対象期間において、適正な履行状況が確認される

つまり、過去に未納があった方にとって大切なのは、単に未納分を支払うことだけではありません。

追納後に、適正な納付実績を積み重ねていくことが重要になります。

過去に未納がある場合は、申請時期の判断が重要

過去に税金や社会保険料などの未納があった場合、「とりあえず追納したから永住申請をしてみよう」と考えるのは注意が必要です。

追納直後では、再申請時から見た確認対象期間の中に、過去の不適正な履行状況が含まれている可能性があるためです。

一方で、過去に未納があったという理由だけで、永住許可を永久に諦めなければならないわけでもありません。

まず未納を解消し、その後は納期限を守って公的義務を適正に履行する。そして、再申請時の確認対象期間を確認したうえで、申請時期を検討することが重要です。

過去に未納や納付の遅れがある方の場合は、「現在未納があるか」だけではなく、「いつ未納・遅延があり、その後どのように納付してきたのか」まで時系列で確認することが、永住申請を検討するうえで重要なポイントになります。

参考資料

・出入国在留管理庁「入国・在留審査要領 第12編 永住許可」
・出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」


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