外国人のアルバイトが大きく変わる? 風営法営業での就労解禁に向けた動きとは

2026年7月29日、東京都遊協の理事会で、木村義雄参議院議員が説明した内容として、外国人の資格外活動に関する興味深い話がありました。

現在、日本に「留学」の在留資格で在留する外国人は、資格外活動許可を受けていたとしても、パチンコ店・麻雀店・ゲームセンターなど、風営法の対象となる営業所でアルバイトをすることは認められていません。

しかし、報道によると、「家族滞在」の在留資格を持つ外国人については、風営法の対象となる営業所での就労を認める方向で調整が進められているとのことです。

また、その内容としては、次のような点が示されています。

  • 包括的に許可するのではなく、入管への個別申請・個別審査となる見込み
  • 対象者は約15万人
  • 2026年10月までにルールを整備し、運用を開始する見通し
  • 勤務時間は従来どおり週28時間以内を想定

もっとも、これは木村議員が示したスケジュールや見通しであり、現時点では出入国在留管理庁から正式な告示や運用要領は公表されていません。

そのため、制度内容が確定したわけではありませんが、私としては、仮に2026年10月に開始されなかったとしても、近い将来、このような制度が整備され実際に運用される可能性は十分あるのではないかと考えています。

※参考記事:「木村議員がパチンコ店での外国人留学生の資格外活動の見通しを説明、家族滞在者は就労可能に」

目次

1.どこまでの風営法営業が対象になるのか?

今回の報道を見て、まず疑問に感じたのは、どこまでの風営法営業を対象とするのかという点です。

風営法では、大きく次の4つに分類されています。

  • 風俗営業
  • 性風俗関連特殊営業
  • 特定遊興飲食店営業
  • 深夜酒類提供飲食店営業

本記事では風営法の詳細な解説は省略しますが、私の印象では、今回の話は「風俗営業」のうち、

  • 4号営業(マージャン店・パチンコ店等)
  • 5号営業(ゲームセンター等)

を想定したものではないかと思われます。

今後、正式な制度が公表された際には、対象となる営業形態がどこまで広がるのかにも注目したいところです。

2.なぜ「留学生の家族滞在」だけなのか?

もう一つ疑問に感じたのが、「家族滞在」の在留資格を持つ外国人の中でも、なぜ留学生の家族が対象とされているのかという点です。

「家族滞在」の在留資格で日本に在留している外国人は、留学生の家族だけではありません。

それにもかかわらず、今回の話では留学生の家族が中心となっているように受け取れます。

実際、外国人留学生やその家族は、日本での生活費に苦労しているケースが少なくありません。

当事務所は、前身が有料職業紹介事業であり、行政書士事務所となった現在でも、外国人から「時給の高い仕事を紹介してほしい」という相談を受けることがあります。

留学生の場合、日本での生活費に加え、学費も負担しなければならず、週28時間以内のアルバイトだけでこれらの費用を賄うことは、現実には非常に難しいケースが多くあります。

そのため、貯金を切り崩したり、母国の家族からの仕送りに頼ったりしながら生活している人も少なくありません。

しかし、全ての留学生がそのような支援を受けられるわけではありません。生活資金が尽きれば帰国を余儀なくされるため、結果として資格外活動の時間制限を超えて働いてしまうケースもあります。

こうした実情はニュースなどで大きく取り上げられることは少ないものの、水面下では以前から存在する問題です。

もちろん、今回の制度見直しの目的は現時点では明らかになっていません。

しかし、留学生やその家族が置かれている経済的な事情を踏まえ、比較的時給の高い風営法対象営業でのアルバイトを限定的に認めようという考えが背景にある可能性も考えられます。

あるいは、今回の見直しをきっかけとして、将来的に外国人留学生のアルバイト先の範囲を段階的に広げていくための第一歩なのかもしれません。

まとめ

現時点では正式な制度ではなく、詳細も明らかになっていません。

しかし、このような議論が公の場で行われるようになったこと自体、日本の外国人政策が以前とは少しずつ変化してきていることを感じさせます。

今後、出入国在留管理庁から正式な制度内容や運用基準が公表されれば、外国人を雇用する事業者だけでなく、外国人本人や行政書士実務にも少なからず影響を与えるテーマとなるでしょう。

引き続き、正式な発表を注視していきたいと思います。


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