「ボニー・ブルー型インフルエンサーは日本で活動できるのか?『観光』と『仕事』の境界が曖昧になった時代」

イギリス出身の過激系インフルエンサー、Bonnie Blue が、日本に関心を示しているとして話題になっています。

NEWSポストセブンなどの報道によると、ボニー・ブルーはこれまでオーストラリアやバリ島など、世界各地で過激な企画を展開してきた人物です。
実際にオーストラリアでは観光ビザが無効化されたと報じられ、インドネシア・バリ島でも騒動を起こしています。

Yahoo!ニュースのコメント欄でも、

  • 「入国禁止にすべき」
  • 「ぜひ来てほしい」
  • 「日本で活動できるのか?」

など、賛否両論が巻き起こっています。

では実際のところ、もし彼女が日本で活動するとした場合、入管法上はどのようなビザ・在留資格に分類されるのでしょうか?

目次

問題は「観光」ではなく「収益活動」

まず大前提として、単に外国人インフルエンサーが日本へ観光に来るだけであれば、当然ながら違法ではありません。

しかし問題になるのは、

  • 日本国内で男性を募集
  • 撮影を行う
  • その映像を海外プラットフォームへ投稿
  • 収益化する

という部分です。

特に、OnlyFans のようなサブスクリプション型サービスでは、

  • 月額課金
  • 投げ銭
  • 閲覧課金(PPV)
  • 限定コンテンツ販売

などによって収益が発生します。

つまり、単なる「旅行」ではなく、実態としては「ビジネス活動」に近い側面があります。

しかし「興行ビザ」とも少し違う

では、このような活動は興行ビザに該当するのでしょうか。

興行ビザとは、外国人アーティストやミュージシャン、ダンサー、俳優などが、日本国内でコンサートやライブ、公演、テレビ出演などを行う際に利用される在留資格です。

簡単に言えば、「外国人が日本国内でエンターテインメントを提供するためのビザ」と考えると分かりやすいでしょう。

確かに一見すると、

  • 日本で企画を行う
  • 日本人を対象にする
  • エンターテインメント性がある

という点では、「興行」に近いようにも見えます。

しかし、従来の興行ビザが想定しているのは、

  • コンサート
  • ライブ
  • 演劇
  • 芸能公演
  • スポーツイベント

など、比較的「場所」「主催」が明確なものです。

例えば海外アーティストが日本でライブを行う場合、

  • 日本側の主催者
  • 会場
  • 契約
  • チケット販売
  • 出演料

などが存在します。

つまり、「日本国内で日本人に対してサービスを提供し、日本国内で売上が発生する」という、比較的伝統的な構造になっています。

しかしボニー・ブルー型の活動は少し異なります。

「日本そのもの」がコンテンツになっている

ボニー・ブルー型の活動の特徴は、「日本で仕事をする」というよりも、「日本という場所そのものをコンテンツ化している」点にあります。

例えば、

  • 東京で撮影する
  • 日本人男性を募集する
  • 日本で企画を行う

こと自体が、海外向けコンテンツの価値となっています。

つまり、東京という「場所」そのものにブランド価値があり、それに依存したビジネスの一つとも見ることができます。

実際、東京は現在、海外インフルエンサー界隈では「再生数が取れる都市」として非常に人気が高いです。

海外から見る東京は、

  • ネオン街
  • アニメ文化
  • 渋谷
  • 秋葉原
  • 日本食
  • 清潔さ
  • 治安の良さ

など、「異世界感」のある都市として消費されているのが実情です。

そのため、「東京で撮影した」という事実そのものに、収益価値が生まれているのです。

デジタルノマドビザ(特定活動告示53号)にも当てはまらない

では、最近新設されたデジタルノマド向けの特定活動告示53号はどうでしょうか。

これは、いわゆる「デジタルノマドビザ」とも呼ばれる在留資格で、

  • 海外企業に勤めながら日本でリモートワークを行う人
  • 海外向けに仕事をするフリーランス
  • IT系・クリエイター系のリモートワーカー

などを想定した制度です。

簡単に言えば、「日本に滞在しながら、国外向けに仕事をする外国人」を対象とした在留資格になります。

確かに一見すると、

  • 海外プラットフォームで収益化
  • 日本企業との雇用契約がない
  • フリーランス型活動

という点では似ている部分もあります。

しかし、デジタルノマド制度が本来想定しているのは、「日本に滞在しながら、国外向けにリモートワークを行う人」です。

つまり、

  • 日本にいても
  • タイにいても
  • バリにいても

本質的に仕事の内容は変わりません。

いわば、「場所」が変わることによって大きく売上や収益が変化しないのです。

しかしボニー・ブルー型の活動は違います。

日本で活動すること自体が収益構造に組み込まれています。

つまり、

「日本だからこそ再生数が伸びる」
「日本だからこそコンテンツ価値が生まれる」

という点で、単純なデジタルノマドとも異なります。

SNS時代、入管法は「新しい働き方」に追いついていない

結局のところ、ボニー・ブルー型の活動は、

  • 観光
  • 興行
  • 撮影
  • 配信
  • デジタルノマド

のどれにも完全には当てはまらない。

しかし逆に言えば、それだけ現在のSNS時代が、従来の在留資格制度では整理しきれない段階に入っているということでもあります。

近年では、ロシア出身YouTuber・あしあさんのケースのように、SNSマーケティングといった新しい形の会社が日本の「経営・管理」ビザに該当しないとして、不許可となったニュースが有名です。

※ロシア出身YouTuber・あしやさんのケースについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉「ロシア出身YouTuber「あしや」氏の在留資格問題から考える“職業”という概念が崩れ始めた時代」

従来の入管法は、

  • 店舗勤務
  • 工場労働
  • 興行公演

など、「場所に紐づく仕事」を前提に作られてきました。

しかし現在は、

  • YouTube
  • TikTok
  • OnlyFans
  • ライブ配信
  • SNS収益

など、「スマホ一台で世界中を相手に収益化する時代」になっています。

そして今後は、「日本を舞台にして世界向けに収益化する外国人インフルエンサー」という存在も、ますます増えていくのかもしれません。


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